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第6話 学校

「もう大丈夫だから教室に戻るよ」 起き上がろうとするとそのまま心翔君が俺に覆いかぶさってきた。 何? 「ま、心翔君。どうしたの?」 「ごめん。このままでしばらくいて欲しい」 心翔君はそう言って俺の肩に額を当てて掴んだ手に力が入る。 心翔君からいい匂いがしてくる。 凄く落ち着くけど何か付けてるのかな? こんなカッコいい人にこんな事されたらドキドキして顔が熱くなってくるよ。 「心翔君、いつまで・・・・・ウゥッ・・・・・」 うそっ・・・。 心翔君の唇が俺の唇に・・・。 俺は抵抗しようと心翔君を押したけどビクともしなくて気づいたら舌が入ってきて俺の舌を絡め取る。 「ウゥッ・・・」 頭が真っ白になって何も考えられなくなり抵抗も出来ずにいる。 押していた俺の手は力なくそこに置かれているだけだった。 心翔君は何度も角度を変えて舌を絡めてくる。 俺は応えるかのように心翔君の舌に俺の舌を絡めていった。 ダメなの分かってる。 彼女に悪いのも分かってる。 けれど抵抗が出来ない俺が心翔君を求めて・・・・・。 求めて・・・。 ずっと求めていた。 心翔・・・・・・。 俺が・・・。 僕が大切に思っている愛おしい人。 僕は、汚れている。 そんな僕でも心翔は受け入れてくれるだろうか? 苦しい。 思い出さなければよかった。 西山先輩の事も・・・。 今迄に僕がされてきた事の全てが鮮明に思い出されてしまう。 こんか僕が心翔を愛したらダメなんだ。 だから、あの時に僕は消えてしまったのに・・・・・。 「フッ・・・」 涙が溢れ出して止まらなくなり角度を変えた時に鳴き声が漏れてしまった。

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