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第17話 学校

心翔の胸に抱かれながら僕は心翔の心臓の音を聞いていた。 心地よくて安心できる音。 ゆっくりと心翔自身が僕から出て行ってしまいたけれど心翔とまた1つになれた事が嬉しくて幸せ。 「優ちゃん?大丈夫?」 「うん。大丈夫だよ。僕、凄く幸せ」 心翔が僕の頭を優しく撫でてギュッと抱きしめてくれた。 「俺もだよ。優ちゃん」 「心翔!!!!!」 僕は心翔の名前を呼びながら思いっきり抱きしめ返した。 「うわっ。びっくりするだろう。どうした?」 「うん。なんだかムギュッてしたくなった」 「なんだよそれ。可愛すぎんだよ」 心翔は僕の額にチュッと音を立てキスをしてくれた。 「心翔。こっちにもして欲しいな」 僕が人差し指で唇を指すと心翔の顔が赤くなるのが分かった。 あまり心翔が顔を赤くすることがなかったので僕はマジマジと見つめてしまった。 頭を撫でていた心翔の手が頭を掴むとクィッと僕の顔を横に向けてしまった。 「心翔?」 「どこで覚えてきた。俺の心臓がもたないわ」 「チェッ。けち」 僕は唇から指を離すと心翔の胸を軽くトントンとグゥで叩いていたらその手を掴まれてしまった。 「分かったから、こっち向けよ」 「いやだぁ〜」 「可愛く拗ねてるな」 心翔は頭にキスを落として次に頬にキスをする。 ズルいよ。 僕は唇にして欲しいのに・・・・・。 僕は顔を心翔の胸に埋めてフルフリと首を横に振った。 「優ちゃんが甘えてくるの嬉しいよ」 「心翔の意地悪」 前よりも心翔に甘えたくなる。 きっとその一瞬一瞬素直にならないとなんて思ったけどやっぱりたまに意地を張ってしまう。 さっきキスをして貰えば良かったとか考えてしまった。

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