312 / 903

第3話 学校 side心翔

屋上につくとやっぱり告白だった。 「あの私は2年の若野ひよりです。久遠君の事をずっと見てて好きです。良かったら付き合って下さい」 学年が違うから声かけるのも勇気が言ったろうなとか色々考えてしまう。 けれど俺の答えは決まっている。 「ごめん。俺には彼女がいて他の人と付き合うとか考えれないから諦めてください」 若野先輩は下を向いて動かなくなってしまった。 このまま立ち去るも良いがやっぱり先に若野先輩が教室に戻ってくれた方が俺は気分的に楽になる。 バンッ!! 勢いよく屋上のドアが開いたかと思うと譲が血相を変えてドアから出てきた。 「心翔!早く教室に来い。優月が倒れた」 「えっ?」 身体が勝手に動き出した。 優ちゃんが倒れた。 朝はあんなに元気だったのに何が起きたんだ? クソッ。 やっぱり、靴を履き替えてた時に話は聞けないと言えば良かった。 優ちゃん。 教室に行くと優ちゃんは冬空に支えてもらてはいたが意識はなかった。 「冬空、保険室に運ぶからありがとう」 「おぅ。話してたら急に席から崩れ落ちる様に横に倒れたんだ。頭は打ってないから大丈夫だと思う」 「分かった。たぶん近くに聖兄さんが居るから連絡してみる」 優ちゃんの顔を見ると血の気が引いて青白い顔色になっていた。 優ちゃんを保険室に運ぶ途中で屋上から降りてくる若野先輩とすれ違ったが俺は何も言わずに保険室へと急いだ。 たぶん、泣いていたと思う。

ともだちにシェアしよう!