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第15話 動物園 Side心輝

動物を見て回り昼食後にトイレへ行くと言ったまま直もゆづ君もなかなか戻ってこなかった。 ゆづ君が一緒だから大丈夫と安心していたが容姿は2人とも女の子に見える。 やっぱり、俺か心翔がついて行くべきだった。 「俺はこっち探すから心輝はそっち頼む」 「分かった。心翔、ちょっと待って携帯に着信」 表示を見るとゆづ君だった。 直は携帯を鞄に入れていたからでもゆづ君なら何故心翔に掛けない? 嫌な予感がする。 俺は少しだけ震える指で通話を押した。 「西山心輝か?」 明らかにゆづ君でも直でもない低い声が聞こえてくる。 「誰だ?」 「お前の大切な女どうなってもいいのかよ?」 「女って、お前何した!」 「これからさ、早く来ないとどうなるか分からないけどな、川沿いの倉庫に1人で来い。近くに小学校があるからすぐ分かるさ、茶色い建物だ」 プツッと通話が切られてしまった。 俺は携帯を握りしめて覚えの無い男からの電話・・・いや違う俺は色々して来たからその中の1人かもしれない。 「心輝!!!」 心翔に肩を揺すられてハッとした。 心翔はゆづ君の心配をしているんだ。 「心翔、ごめん。俺が1人で行かないと2人に・・・」 「どこだ?」 「川沿いの茶色い倉庫。近くに小学校がある」 「川沿い?ちょっと待ってろ。冬空に話してみる」 心翔は携帯で冬空君に連絡をしている。 こんな事をしていたら直もゆづ君も・・・・・・。 俺がして来た事が自分では無くて大切な人に向けられる恐怖を知った。 「心輝?冬空がトラジさんに連絡をするってあの辺はトラジさんの地元なんだ。俺達も行くぞ!」 心翔は俺の腕を引っ張ると走り出した。 今は俺のして来た事を後悔している場合じゃ無い。 とにかく2人を助けないと・・・。 お願いだ無事でいてくれ・・・直。

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