病院の待合室。 手術中と表示されたままで何時間がたったのだろう？ ゆづ君も意識を取り戻して心翔と俺のそばに居てくれている。 直を刺した村木は俺が文化祭の日に告白して来た女の兄貴。 他校生だったのもあるがその時はまだ誰とも付き合う気分になれなかったから断った。 それから村木の妹が街で俺と直が仲良くしているのを見たらしくてフラれた腹いせに兄貴に言って俺を痛めつけるように頼んだ。 その計画を決行しようとしていた時に村木の仲間が俺を駅で見つけて後をつけ直を見て俺をヤるより直をやると言う話になって拉致した。 「心翔、竹田君の家族に連絡を取ろうと思ったんだが颯人に聞いたらお兄さんは海外赴任で日本に居なくてご両親は他界されてるんだ。」 「聖さん、な・・・直は今誰と住んでるんですか？」 「心輝君。大丈夫か？顔色悪いぞ？」 俺なんてどうでもいいんだ。 「直は誰と？」 「夏休みまではお祖母さんとだが亡くなられてね。1人なんだよ詳しくは聞いてないがお兄さんが明日には病院に来られる。」 直・・・・・。 ずっと知らなかった。 直はいつも俺といる時は嬉しそうに笑っていて『心輝、僕は心輝と出会えて幸せだよ』そう言って俺に抱きついてくる。 周りに人が居ようが気にしないで全部で俺に気持ちをぶつけて来た。 直が1人で居たなんて・・・・・。 直は心配させたく無いから俺といる時は笑っていたのか？ もっと抱きしめてやれば良かった。 もっと好きだと俺も伝えれば良かった。 もっと・・・・・直。 ずっと俺の隣にいて欲しい。 だから・・・・笑って心輝とまた呼んでくれ・・・直。