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第3話 それぞれ
「優ちゃん?」
心翔が人をかき分けながら教室に入ってくる。
「心翔、ゆづ君を止めてくれ」
冬空君が心翔に止めるように言っているがいつもと違う僕に気づいて心翔も困惑していた。
「どけ!!!!」
怒鳴り声と共に誰かが教室に入ってきた。
「龍、止めて!」
冬空君はウサちゃんに連絡をしていたんだ。
ウサちゃんが来たからと周りも安心をしたかのような雰囲気だった。
「邪魔すんな、ウサちゃん。で、そこにいんだろ?クマちゃん」
クマちゃん?
周りが誰それ?みたいな雰囲気になった時にウサちゃんの後ろからクマちゃんが近づいてきた。
「クマちゃんは勘弁してくれませんかね?」
「クマちゃんはクマちゃんだろ?」
「分かりました。そいつ離して貰いたんですけどダメですか?」
「コイツ、なんて言ったか知って僕を止めるの?良い度胸してんねクマちゃん」
僕とクマちゃんの会話に周りは戸惑い。
八坂って何みたいな感じになっていた。
「優ちゃん。日野は何を言ったの?」
「コイツは・・・・直が死ねば良いって言ったんだよ。笑いながら言ったんだ!!!!!!!」
僕の叫ぶ声に周りは凍りついた。
「ゆづさん。そいつ俺の下にいるんでちゃんとしますから離して貰って良いですかね?」
クマちゃんの怒りに満ちた声に僕はハッとした。
日野を殴ったら僕は日野と同じじゃないのか・・・・・。
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