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第7話 それぞれ

しばらく直と話していると病室のドアが開いた。 「君達は?」 「直・・・竹田くんと同じクラスで八坂優月です」 「久遠心翔です」 長身でモデルみたいな男性は優しく笑うとベッドへ歩み寄ってきた。 「直の友達だね。八坂くんに久遠くんの名前はよく聞いてるよ。僕は直の兄で崇です。よろしくね。心輝くんはよく寝てるね良かった」 「兄さん。お仕事は?」 「片付けてきて暫く休みにした」 直に優しく笑いかける崇さんはなんか直を男らしくした感じに見えた。 そして直の顔が曇ってしまった。 きっと自分が原因でお兄さんが仕事をお休みにしたのが気になるんだと思う。 「僕も休ませてくれるかな?何年もまとまった休暇を取ってないし、休みでも休みじゃなかったから直のおかげで堂々と休めるんだ。喜べ直」 「ありがとう。兄さん」 曇っていた顔がふんわりと笑顔に変わった。 流石兄弟。 直の事が分かってるんだなと少しだけ羨ましく思えた。 そんな僕の様子に気づいて心翔が優しく頭を撫でてくれる。 「心翔?」 「優ちゃんには俺がいるだろ?」 優しく笑う心翔。 そうだよ僕には兄弟が居ないけど誰よりも僕の理解者が隣にいる事を改めて確認をした。

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