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第10話 それぞれ

続きは家でとかは冗談らしくて心翔は僕を家まで送ってくれると帰って行った。 少しだけ寂しい気もするけど・・・。 僕は何だかヤりたいだけみたいな感じに思えるよな? 違うんだ。 心翔にはずっと触れていたいから自然と僕は心翔を求めてだな・・・・・やっぱりヤりたいだけみたいに思えてきた。 もう考えない!!!!!!!! そうだよ。 心翔とヤりたいよ。 心翔を感じていたいんだ。 心翔の温もり。 心翔の優しい声。 心翔の・・・・・・・・。 僕は心翔にしか欲情し無いんだ。 他の人が触れてもそれは身体が反応するだけで気持ちは心翔だけなんだ。 直が目覚めて安心したらこの前の知らない男達に触られた感触が蘇ってきた。 怖い・・・・・・。 僕は心翔と別れた家の前で動けなくなりうずくまってしまった。 心翔・・・・・・・。 心の中で心翔の名前を呼び続け目からは溢れ出す涙が頬を伝う。 「優・・・優ちゃん?どうした?気分悪いのか?」 愛おしい人の声が聞こえる。 どうして? 帰ったんじゃないの? 「ふっ・・・・・ま・・・まな・・・・・」 心翔もしゃがみ込んで僕を腕の中に包み込んでくれた。 「どうした?泣いてるの?」 「心翔・・・・・・・」 心翔は僕の背中を優しく撫でて落ち着くように大丈夫だからと何度も言ってくれた。 「あらっ?2人共どうしたの?優月具合悪いの?」 春子お母さんが僕達に話しかけてくる。 この時間、春子お母さんは夕刊を取りに来たんだと思う。 「すみません。多分具合悪いみたいなんで部屋まで運んでも良いですか?」 「大変。お願いできるかしら心翔君」 春子お母さんは、慌てて門を開けて心翔が僕を運ぶのを待っていてくれる。 心翔は僕を抱きかかえると門を通り家の中に入って行った。 その間、僕は泣き顔を見られたくなくて心翔の胸に顔を埋めていた。 僕の部屋まで春子お母さんは付いてきてくれてドアを開けて心翔を僕の部屋の中に入れた。 「ありがとうね心翔君。おばさん少し手が離せないから優月をお願いするわ」 「はい。分かりました」 春子お母さんはパタパタと1階に降りて行った。 心翔は僕を抱きかかえたままベッドへ座り優しく抱きしめてくれた。

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