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第16話 それぞれ

直のお兄さんも僕の家族、心翔の家族も直と心輝が付き合ってるのは報告済みです。 直のお兄さんは前から知っていたようで直の入院中に心輝が側にいても何も言わなかったみたい。 あれだけ毎日直の側にいたら知らない人ならきっと家に帰りなさいとか言うもんね。 本当に直と一緒に暮らすんだなとかと思うと毎日楽しくなりそうで嬉しい。 春子お母さんも楽しそうだから良かった。 「直君と優月にお願いがあるんだけど?心翔君と心輝君も一緒にお願いしたいんだけど?」 晩御飯が終わり皆んなでリビングで話をしていると桃お姉様が雑誌とタブレットを持ってきてテーブルの上に置いた。 「この雑誌は・・・」 見覚えがあります。 デザイナーさんが僕達の写真を気に入っちゃって雑誌に載せたあの日の物です。 「優月は気付くの早いはね」 桃お姉様が嫌な笑いをしている。 「ぼ・・・ぼっ・・・・僕は嫌だからね。あの時は仕方なくって聞いてるの?」 タブレットと雑誌を見ながら直は僕と交互に見比べていた。 「優月君、可愛いというか綺麗だね」 「俺はこの時にあってるんだよな。けど心翔とのこの写真はいいな直」 「うん。すごく好きが分かる」 どれ見てるんですか? 僕はタブレットを覗き込むと額と額を合わせて笑ってる僕と心翔がそこに居た。 「はっ・・・・恥ずかしいから見ないでよ」 僕は直と心輝からタブレットと雑誌を奪い取ったけど桃お姉様が携帯を取り出して2人に見せている。 「優ちゃんの負けだな?桃さんには勝てないだろう?」 「ですよね。はぁ〜っ」 桃お姉様には敵いません。 僕からは溜息しか出ませんでした。 そして僕ら4人は桃お姉様のお願いを聞く羽目になるのでした。

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