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第1話 それぞれ side心翔
動物園での出来事を思い出すと優ちゃんが西山冬樹に連れ去られた日のことを思い出す。
あんな思いもうしたくないと思っていたのに優ちゃんの側に付いていればとか色々考えてしまう。
竹田も心配だが優ちゃんがまだ目を覚まさない。
ベッドの側で優ちゃんの目覚めるを待つのは怖い。
また俺の事を忘れてしまうんじゃないか・・・・・・・。
悪い事ばかりを考えてしまう。
遥兄さんは大丈夫だから心配するなと言っていたけどやはり気になって仕方がない。
考えないようにしてるけどやっぱり考えてしまい気づいたら手が震えていた。
俺ってこんなに弱かったのか・・・・・・。
優ちゃん、早く目を覚まして『心翔』て笑って俺の名前を呼んで欲しい。
俺は優ちゃんのベッドの横に座り優ちゃんの手を両手で握りしめた。
「ううん・・・」
「優ちゃん!!!!!」
「ま・・・な・・・心翔。あれ?」
優ちゃんの瞼がゆっくりと開いていき俺の名前を呼んだ。
「優ちゃん、俺が分かる?」
「うん。心翔・・・・・えっと・・・あっ!直は?」
「まだ手術中だ。優ちゃんも倒れてずっと意識がなかったんだ」
俺の手、やっぱり震えてる。
優ちゃんは俺の手が震えてるのに気づいてギュッと握り返してきた。
大丈夫だよ心翔って言われてるみたいで泣きそうになった。
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