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第2話 それぞれ side心翔
「心翔、お願いがあるんだけど・・・」
優ちゃんは俺の手を両手で握ると真剣な顔をした。
何が言いたいかわかってるよ優ちゃん。
「目が覚めて優ちゃんがフラつかないなら竹田の所に行っていいと遥兄さんが言ってた」
「大丈夫だから直の所に連れて行って心翔」
「優ちゃん。連れて行くけど歩かせるのは心配だから抱き上げて連れて行きたいんだけど・・・・・」
優ちゃんは大丈夫だと言うけど男達に無理やりヤられて身体中に傷ができていた。
なるべくなら安静にしてもらいたいが俺も確かに竹田の事は気になるし心輝も心配だから・・・・・。
「抱き上げてって・・・」
優ちゃんは少し考え込んでから笑って良いよと言った。
「病院だから抱えられていても大丈夫でしょ?でも車椅子の方が心翔は楽なんじゃないの?」
確かに車椅子の方が楽だけどそれどと優ちゃんに触れていられない。
「いいんだよ。抱き上げるから大人しくしてなよ優ちゃん」
俺はゆっくりと優ちゃんを抱きかかえた。
「やっぱり、恥ずかしい心翔」
「俺は平気だよ」
優ちゃんの頬にキスをすると顔を真っ赤にして少し口を尖らせる。
「優ちゃんは口にして欲しいの?」
「ち・・・ちが・・・心翔の馬鹿」
さっきより口が尖ったのを見て俺はチュッと音を立ててキスをすると優ちゃんは耳まで赤くして怒って俺から顔を背けた。
優ちゃん可愛い。
ソッポ向いても俺はお構い無しに優ちゃんの頬にキスをする。
「もう、心翔止めてよ。早く直の所に連れて行ってよ」
「ハイハイ、お姫様のご機嫌が悪くなる前に行きますよ」
優ちゃんの額にキスをするとゆっくりとドアを通り抜けて竹田が居る場所へと移動した。
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