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第4話 それぞれ Side心翔

何時間経ったのだろう? 気づいたら手術中の表示が点灯していなかった。 ゆっくりとドアからこと先に竹田が出てきて宗輔兄さんが後から出てきたが疲れた様子だった。 「竹田君のご家族は?」 容体を説明したいみたいだけど竹田の家族は今海外。 穂波先生と聖兄さんが一緒に居たから宗輔兄さんに事情を説明している。 代わりに2人が今の竹田の容体を聞いて明日お兄さんには説明すると話をしていた。 「お前らも小会議室に来なさい」 宗輔兄さんは俺たちの返事を待たずにどこかへ行ってしまった。 「俺らが聞いていいの?穂波先生」 「詳しい内容とかは他に話したりしないと言う条件だがお前らは守れるだろう?」 俺らは頷いた。 「じゃあ、小会議室に行くか聖」 「宗輔兄さんが手術したから安心しろよ」 聖兄さんが笑って俺達の不安を取り除こうとしてくれている。 俺達は小会議室に行って座っていると宗輔兄さんがドアから慌ただしく入ってきた。 そして説明が始まる。 竹田の手術が長引いたのは途中心肺停止状態に陥った。 だから看護師が1人中から出て来たのか? 今は安定していて目が覚めたら安心はできるが今の所は急変する可能性が高いという事だった。 竹田の生きたいという気持ちが強い事に賭けるしかないと言う宗輔兄さん。 みんなは愕然としていた。 せっかく手術が成功していてもまだ気が抜けないって事かよ。 本当は駄目なんだが心輝だけは竹田の側にいて良いと宗輔兄さんが許可を出した。 話が終わると俺と優ちゃんは穂波先生の車で自宅に送ってもらった。 本当は優ちゃんと一緒に居たいが明日は学校があるから優ちゃんの家族にお願いをして俺は自分の家へ帰った。

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