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第7話 それぞれ Side心翔
竹田のお兄さんは、男の俺から見てもカッコよかった。
すごく大人の男性。
竹田とは反対だよなとか思ってしまった。
しばらく竹田と話をして俺と優ちゃんは家に向かった。
俺は優ちゃんと2人になると我慢が出来なくなるのにあまりにも可愛い事を言うから抑えがきかなくなった。
エレベーターの中で唇を重ねてしまった。
1階に着いたら穂波先生に見つかり少しだけ注意をされてしまった。
俺は誰に見られてもいい。
優ちゃんを家まで送ると俺は自分の家に向かって歩いていたが急に優ちゃんに呼ばれた気がした。
如何してか分からないが優ちゃんの側に行かないと駄目なんじゃないかと思い引き返すと優ちゃんは座り込んでいた。
「優・・・優ちゃん?どうした?気分悪いのか?」
「ふっ・・・・・ま・・・まな・・・・・」
俺は優ちゃんの側にしゃがみ込んで自分の腕の中に引き寄せ抱きしめた。
もしかしたら震えてる?
イヤ、泣いてるのか?
「どうした?泣いてるの?」
「心翔・・・・・・・」
「大丈夫だから優ちゃん。俺がそばにいるからな」
優ちゃんの身体は震えて強張っている。
もしかしたら、男たちにやられた事を思い出してるのかも知れない。
竹田の事で優ちゃんは気を張っていた様な感じだった。
もっと早く気付いていれば・・・。
「あらっ?2人共どうしたの?優月具合悪いの?」
優ちゃんのお母さん。
「すみません。多分具合悪いみたいなんで部屋まで運んでも良いですか?」
「大変。お願いできるかしら心翔君」
優ちゃんを抱き上げると部屋まで運んだ。
優ちゃんはお母さんに泣き顔を見られたくないのか俺の胸に顔を埋めたまま少しだけ震えていた。
「ありがとうね心翔君。おばさん少し手が離せないから優月をお願いするわ」
「はい。分かりました」
優ちゃんから離れたくなくて俺は抱きかかえたままベッドへ座った。
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