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第8話 それぞれ Side心翔

優ちゃんを膝の上に乗せたままそっと頭を撫でると俺の顔をジッと見つめてくる。 「心翔」 「どうしたの?なぜ泣いてた?」 「ごめんね。この前の事思い出したら怖くなって動けなくなったの・・・」 優ちゃんは怖くなったのかまた俺の胸に顔を埋めて制服を握り締めている手は震えていた。 優ちゃんを安心させてやりたい。 「大丈夫だよ。そばに居るから優ちゃん」 「うん。心翔ありがとう」 俺は優ちゃんの震える身体を強く抱きしめてた。 「心翔の心臓の音が聞こえる」 「落ち着いた?」 「ありがとう心翔」 「いいよ。可愛い優ちゃんの為なら俺はなんだってするよ」 俺は優ちゃんの為ならどんな事でもするよ。 ずっと隣で笑っていてくれるなら俺はどんな事でもしてみせる。 守りたいんだ優ちゃんの笑顔を俺の大切な人。 「心翔、1度帰ったのにどうして戻ってきたの?」 「なんか優ちゃんの声が聞こえた気がしたんだよ。凄く気になって戻ったら優ちゃんしゃがみ込んでるからビックリした」 俺は優ちゃんを抱きしめて頭に優しくキスを落とした。 「僕ね・・・怖くて心翔って心の中で何回も呼んだんだ」 「優ちゃん・・・・・。ごめん」 怖いだろうから我慢しようとしたんだ。 けど病院のエレベーターの中で俺の中にあった火がくすぶっていたのが一気に燃えだした。 俺は優ちゃんに謝ると顎を掴み上を向かせて優ちゃんの唇に俺の唇を重ねた。

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