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第4話 早めのクリスマス

「なんか緊張してきた心翔」 最初に僕と心翔が2人で撮影をする事になった。 人数が少ないとは言ってもプロの中に素人の僕達が居るんだから失敗したらどうしようとか考えてしまう。 前は桃お姉様のお店のスタッフさんで緊張しなかったし隠し撮りもされていたから今日とはまるで状況が違っていた。 撮影は2人で向かい合って立っている状態から始まるけど緊張で顔が強張る。 「緊張しなくていいからね。心翔君だけ見て笑ってくれるかな?」 心翔だけを見て笑うなら出来るかな? 僕は隣に居る心翔を見上げると優しく僕を見て微笑んでいた。 なんか余計にドキドキして来た。 すると心翔は僕の頬に手を置いて顔を近づけてくる。 えっ? キスとかしないよね? 向かい合って笑うだけでいいんでしょう? ドキドキしてギュッと瞼を閉じた僕の耳元で心翔が囁いた。 「優ちゃん、凄く可愛いよ」 その言葉に僕は目を開けて心翔の顔を見ると悪戯っぽく笑っていた。 いつもあまり見せない心翔の表情に僕はドキッとして一気に身体中が熱くなるのが分かった。 僕は心翔の胸を軽く叩くと少しだけ照れ笑いをした。 「もっと笑ってよ優ちゃん」 「うん」 なんだか不思議だった最初は周りに人がいて雑音とかカメラのシャッター音とかもハッキリ聞こえてたけど心翔だけ見て笑ってると2人だけしかいない錯覚を起こしていた。 「はい。OKだよ」 僕は片岡さんの声で現実へと引き戻されていた。 気付いたら心翔は僕の額にキスをしていたのだった。 「えっ?」 「あまりにも誘う顔するからつい」 誘う顔って何? 僕は心翔の足を思いっきり踏んでやった。 直と心輝の撮影の間、心翔はひたすら僕に謝ってきた。 僕はずっと無視をして直と心輝の撮影を見ていました。

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