440 / 903

第5話 早めのクリスマス Side心翔

「桃ちゃん。ここは病院だから静かにしてね。それと優月君から話は聞いたよ」 「ごめんなさい。遥、優月は大丈夫なの?」 「飲まされた錠剤の副作用ではないから身体は大丈夫だけど精神的なものだからね。以前の事を思い出したみたいだ」 以前にもあったけどあんなに手が冷たくなったのは初めてだった。 「咲夜君。ちょっと話したいんだが良いかな?」 遥兄さんが咲夜に笑いかけてるけど目が笑ってないし冷たい感じの話し方をしている。 もしかしたら遥兄さんは怒ってるんだろうか? 「遥兄さん」 少しだけ遥兄さんが気になり話しかけると俺の頭をクシャクシャとしていつもみたいに笑いかけてくれた。 「中で聖と一緒に優月君が居るから入っても良いよ」 「分かった。遥兄さんは、咲夜と話をするの?」 「話をするよ。優月君から了承を貰ってるから詳しく説明するよ」 「優ちゃんが良いなら・・・・・・・」 桃さんと知り合いだからと言ってこんな奴を信用して良いのだろうか? 「心翔が心配する様な真似は絶対させない様に話をして来る」 「分かった。お願いするよ遥兄さん」 俺が話をすれば感情的になってしまう。 ここは遥兄さんに任せた方が良いと思った。 俺は心輝と竹田と一緒に診察室の中に入って優ちゃんの様子を見に行った。

ともだちにシェアしよう!