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第9話 早めのクリスマス Side心翔
「竹田は大丈夫なのか?心輝」
「気にはなるが本人が楽しそうにしてるから無理するなとか言い出せないんだよ。具合が悪くなったらダメなんだけどな」
「竹田は周りに気を使って苦しいとか言わないような気がする。心輝が居るから甘えればいいのにな」
俺と心輝が話してるのに優ちゃんは俺の腕に絡みついて引っ張りジッとしていなかった。
まるで小さな子がお母さんにまとわり付いている様な感じだった。
「心翔。またゆっくりと家で話そうか?」
「悪いな心輝」
心輝は俺の肩を軽く叩くと竹田の所へと行ってしまった。
「もう、お話終わった?僕ねあれが食べたいんだ心翔」
「優ちゃん、取ろうか?」
「うん。じゃあ、あれもいいかな心翔」
俺の腰に腕を回して上目遣いに俺を見つめて顔を赤くしている優ちゃん。
本当に今日はなんだ?
俺の理性が持たなくなりそうだ。
皿に言われた物をとると俺の隣にちょこんと座ってニコニコしながら食べている。
そんか優ちゃんを見ると俺まで顔がニヤけてくる。
「優ちゃん、美味しい?」
「うん。心翔は食べないの?はい、あ〜ん」
あ〜んって、一斉にみんなの視線を感じた。
「いいから、優ちゃん食べなよ」
「心翔、食べてよ。はいっ!」
フォークに刺した鳥の唐揚げを俺の口元に差し出してくる。
これ、食べないと優ちゃんこのままだよな・・・皆んなの視線が気になる。
覚悟を決めて口を開けるとサッとフォークを引き優ちゃんは自分の口の中に鳥の唐揚げを入れてしまった。
俺、スゲェ〜恥ずかしい奴だよな?
「おいひぃよ」
唐揚げを頬張りながら笑顔の優ちゃん。
皆んなは笑ったら悪いと思ってるのか我慢しているがまるわかりだった。
「美味しいの良かったな優ちゃん」
「ふんっ。おいひぃ」
本当になんなんだ優ちゃん。
これもしかしてわざとしてるんじゃ無いよな?
いや、優ちゃんは恥ずかしくてこんな事は出来ないはずだ。
なんか優ちゃんに振り回されそうな気がしてきたというかもう振り回されていると思う。
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