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第1話 僕は心配

撮影後は大変だったみたいだけど僕は大丈夫だから咲夜さん達の事を許してあげて欲しいと改めて桃お姉様にお願いをした。 最初はかなりの怒りだったが仕事の事もあるからと渋々僕のお願いを聞き入れてくれた。 僕は、咲夜さんの作品とか良いと思うし桃お姉様に頼まれたら今後もモデルはして良いけど雑誌とかはしたく無いとハッキリと言った。 それよりも今日から発売される雑誌が心配だった。 「優ちゃん。おはよう」 「心翔。おはよう」 「朝から眉間にシワ寄ってるけどどうした?まっ、そんな顔も可愛いけどな」 僕の眉間を指で触って頬にキスをしてきた。 「ちょっ、ココ下足場だよ。皆んなにみられたらどうすんの?」 「誰もいないからした」 あの撮影の日から心翔は以前より僕に何と言うか人前でも触れようとしてきた。 まさに今がそうなんです。 「もう、誰も居ないからってダメだよ」 「あの時の甘えた優ちゃん可愛いかったなぁ〜」 「心翔!!知らないんだから先に行くね」 何かと言えば甘えた優ちゃんと言ってくる。 普段はあまり甘えたりとか恥ずかしくて出来ない。 心翔は甘えたりとかされたいのかな? けど、恥ずかしくて出来ないよ。 「心輝。今日はね。サブレ作ってみたいんだ」 「直ありがとう。昼が楽しみだな」 「うん」 前を歩いているのは心輝と直で他に人が居ようが関係無く心輝に触れたりしている。 今だって心輝の制服を掴んで一緒に歩いていた。 僕も心翔にしたいよ。 「一緒に手を繋いで歩きたいと優ちゃんの顔に書いてるぞ」 「へっ?」 うそ? 僕が思った事を心翔に言われてしまった。 「優ちゃんの考えてる事なんて分かるよ。俺も手を繋いで歩きたい」 心翔はそう言って優しく微笑んだ。 さっき、心翔を下足場に置いて先に歩いて来たのにいつの間にか隣にいて僕の欲しい言葉をくれる。 「心翔。好き」 僕は心翔の制服をギュッと掴むと心翔にだけ聞こえるように言った。

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