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第4話 僕は心配
放課後も大変だった。
どっからか情報が漏れて心翔と心輝を見たいと他校生が学校の校門前で待っている。
「帰れなさそうだね」
僕は教室の窓から校門を見て心翔に言った。
心翔は窓の下に座り苦笑いしている。
「心翔。穂波先生が家まで送ってくれるって言ってるぞ」
心輝と直が教室に入ってきた。
「助かる」
「後30分くらいしたら駐車場に来いだってさ」
「心輝も窓の側から離れた方が良いよ」
僕達に近づいてきた心輝に言った。
直が窓の外を見てビックリした顔をしている。
かなりの人数が校門にいるからね。
そりゃあビックリもするよ。
「心輝はそこで座っててよ」
「直もおいでよ」
心輝は直に隣に座るように手を差し出して呼び寄せた。
学校じゃあ2人が付き合ってると噂をされているみたいだがバレても良いよと心輝が平然と言った。
その方が直も虐められたりとかされないだろうと言う事だったが同性同士の恋愛をよく思ってない人達の嫌がらせが少しあるくらいだった。
日野達に比べたらまだ大丈夫だよと直が笑って言う。
直は強いよね。
色々辛い事されても笑って言えるなんて僕は笑って言えるかな?
僕達は30分経ったので駐車場で穂波先生を待ち家まで送って貰った。
その時に校門で女の子達に混ざって1人の男性が車を見て不気味に笑って立っていた。
その表情や視線は心輝のお兄さんを思い出させる。
僕は気のせいだと言い聞かせて見なかった事にしようとした。
この時に皆んなに相談していれば良かった。
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