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第9話 僕は心配
心翔と心輝の周りは煩くて学校に居ても家に帰っても落ち着かないと2人は嘆いていた。
心輝は一緒に掲載されたのは彼女だと言ったから直との噂が消えてしまっていた。
「ここが1番落ち着ける」
心翔は僕の肩に頭を乗せ手を握りしめてくれた。
ココは物置部屋。
「そうだね。ココは人が近寄らないからね」
「優ちゃんとゆっくり過ごすの久しぶりだな」
「うん。ココに来るのも大変だったけどね」
暫くは心翔の後を学校の女子生徒が付いて歩いていたからなかなか物置部屋にも来れないでいた。
ココを他の人に知られたくないからだった。
「優ちゃん。キスしていい?」
「どうしたの?いつもはいきなりするのに心翔」
「そうだよな・・・・・ごめん」
僕の肩に乗せていた頭を退けて僕の胸に顔を埋めてくる心翔。
心翔疲れてるのかな?
様子がおかしいんだけど大丈夫かな?
僕は空いている手で心翔の背中に手を回した。
「大丈夫?」
「ああっ・・・少しだけこのままでいたい」
「うん」
珍しく僕の前で弱気になっている心翔が気になる。
前より女の子が告白してきたり帰りも他校の生徒が待ち伏せしていたりで大変になっている。
芸能人とかじゃないから身近で近寄りやすいというのも分かるけどやっぱり毎日同じような女の子達が後をつけたりしてくると対応も大変になるよね。
「優ちゃん。不安にさせてるよな?」
「・・・・・・・」
不安にならないと言えば嘘になるし僕は心翔に嘘付きたくない。
けどこんな心翔を見たら嘘ついても安心させたい。
僕の胸に顔を埋めてた心翔が僕から離れると優しく唇にキスをしてくれた。
とっても優しくて大切にされてると分かるような甘い甘いキスをされる。
僕は心翔のキスだけで不安になっていた気持ちが和らいでいくのが分かった。
心翔大好きだよ。
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