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第23話 僕は心配

返事を聞けないままバスが来てしまい僕と藤咲正臣はバスに乗車した。 車内は比較的に空いていて違う学校の女子生徒が数名藤咲正臣を見て顔を赤くしていた。 確かに背は高くて綺麗な顔立ちをしているから彼女とかいてもおかしく無い。 生徒会長だし、お金持ちみたいだし、モテ無いとか言われても説得力無い。 僕と藤咲正臣は女子生徒が座っている横を通り1番の後ろの空いている席に座った。 バス停では心翔の彼女の話をしていたが車内ではお互い無言で僕は窓の外をボンヤリと眺めていた。 「次の停留所で下車します」 「はい」 相変わらず僕を見ないで話してくる藤咲正臣。 言われた通りに次の停留所で僕達は下車をして黙ったまま藤咲正臣の後ろに付いて歩いた。 10分程歩くと高い塀に囲まれた建物の一部が見え始めた。 まさか藤咲正臣の家なのか? 塀が途切れると黒い門が目の前に現れて白い西洋風の建物が見えて来た。 「クスッ。そんな口を開けて驚かれるとは思いませんでした」 「へっ?あっ、こんな大きい建物が藤咲君の家?」 あれ? 藤咲正臣が笑ってるんだけど? 無表情で冷たい声だったのに笑えるんだ。

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