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第24話 僕は心配
藤咲正臣の部屋に通されると普通に1人暮らしとか出来そうなくらいの広さに驚いてドアを閉めて呆然と立っているとまた藤咲正臣に笑われた。
「こちらに来て座られたらどうですか?」
「あっ・・・はい」
「学校に来られた時の八坂君はとても険しい表情をされていたのでこちらも身構えましたが可愛らしい方ですね」
そう言ってまた笑う。
僕は男だし可愛いとかは心翔以外に言われたら正直ムカついてしまう。
僕がムスッとしていると藤咲正臣はテーブルに身を乗り出して僕の頬に触れた。
突然の事でビックリして声が出ない。
「心翔君の事を聞きに来られたのでしょう?僕が心翔君を連れ去りました。貴方のせいで監禁場所のホテルがバレてしまいました残念です」
その言葉に僕は我に返り頬にある藤咲正臣の手首を掴みテーブルの上に置いて片方の手を動けなくした。
それから胸倉を掴み鼻が当たるかスレスレまで顔を近づけた。
「何故、心翔を連れ去って監禁したんだ?」
「何故?綺麗な方でしたから少しお話をしたくてホテルにお連れしました」
「はぁ?話するくらいで監禁ってなんだよ。保護されてからも心翔は誰も近づけない。お前が心翔に何かしたからに決まってるんだ。何したんだ心翔!!!」
思わずテーブルに掴んでいた手を離して殴りそうになったのをグッと堪えて手に力を入れた。
「可愛いらしい方なのに力はお強いですね。手首が痛いです。離してくれたら心翔君に何をして何故連れ去ったかお話をしますよ。それかお見せしてもいいですよ僕のコレクション。貴方も加えてもいいかも知れません」
「コレクション?」
藤咲正臣の表情と声のトーンに僕の頭の中で警笛が鳴り響いた。
藤咲正臣は西山冬樹に雰囲気が似ていたのだ。
背中が冷たくなり手が震えるのが分かって藤咲正臣に知られたくなく全て外しソファに静かに座り直した。
「何からお知りになりたいですか?心翔君を連れ去った理由くらいからですか?そうですね。心翔君がタイプだったからとだけ申しておきます」
「心翔がタイプ?」
「雑誌を見た瞬間に心を奪われました。綺麗な方で凄く男らしいと思ったのです」
やはり表情1つ変えずに冷たい声で話す。
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