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第25話 僕は心配

「じゃあ、心翔の事を好きなの?でもそれなら心翔を監禁とか好きな人にすることじゃ無いだろ?」 「確かにそうですね。でもどうしてもこの手に入れたかったのです。雑誌の様な優しい眼差しを僕にも向けて欲しかったのです」 「心翔は彼女だからあの表情をしてるんだ。他の人になんかに向けないよ!」 話をしているだけで藤咲正臣の身勝手な行動に苛立ちを覚える。 「それは、心翔君を抱いてわかりました」 えっ? 心翔を抱いたって今言ったの? 「抱くたびに僕に向ける眼差しは憎しみに満ちていました。僕の欲しい眼差しはして貰えなくて悲しい限りでした」 「抱いたって・・・・・。心翔は男だよ」 声が震えて息がうまく吸えない。 「僕は男性にしか興味が無いです。男同士でも出来るんですよ。ご存知では無いですか?」 ご存知では無いですかだって・・・。 「なんだよそれ・・・お前なんかに無理やりヤられた者の気持ち分かんのかよ。ふざけんな!」 僕はあまりの怒りに目の前にあったテーブルを蹴った。 「可愛いらしい方だと思っていましたがどうやら鋭い爪をお持ちですか?」 「はぁ?ふざけんじゃね。絶対に心翔に近づくんじゃ無いぞ!」 「それは困りました。僕は心翔君の抱き心地が忘れられませんからまたお会いしたいのですよ」 抱き心地・・・・・・。 なんだよそれ・・。 悔しさのあまりに目に涙が溜まりだした。 けどこんな奴の前では絶対に泣かないし1番苦しいのは心翔のはずだ。 僕には分かるから・・・・・・。 心翔がどんなに傷ついたのか・・・。

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