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第1話 僕は心配 Side心翔
「誰にも会いたくない」
「優月君にもか心翔?」
「お願いだから1人にしてくれないか聖兄さん」
病室でベッドに潜り込み俺はあの出来事を思い出さない様にしていた。
診察に来る聖兄さんや看護師にも触れられるのが嫌ですぐに気分が悪くなった。
優ちゃんの事は好きだ。
けど優ちゃんに触れたりとか触れられると彼奴にされた事が蘇る。
きっと優ちゃんに触られそうになったら手を払いのけてしまうかもしれない。
優ちゃんを傷つけたく無いんだ。
今でも会いたく無いと言っているから優ちゃんはきっと悲しんでるに違い無い。
泣いていたら抱きしめてやりたい。
でも今の俺には無理だ。
ごめんよ優ちゃん。
ごめん・・・・・・・。
「心翔。起きてる?」
えっ?
面会時間は終わってるはずなのに消灯時間の見回りで聖兄さんが来てたんだ。
「ごめん」
ベッドに潜り込んだまま優ちゃんに謝った。
今の状態では優ちゃんに会えない。
声聞けただけでも嬉しい。
こんなに好きなのに、ごめん優ちゃん。
怖いんだ。
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