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第2話 僕は心配 Side心翔
「心翔をこんな目に合わせた奴に今日の放課後に会って来たんだ」
優ちゃん?
彼奴に会ったのか?
「心翔がいつも僕に言ってくれるよね。どんな優ちゃんでも好きだって、僕もどんな心翔でも好きだよ。誰よりも大切だよ」
優ちゃん。
俺も優ちゃんが大切なんだ。
「ごめん。優ちゃん」
「謝ってばっかりだね心翔。ねぇ、心翔は僕とこれからどうしたいの?」
どうしたいか?
ずっと一緒にいたい。
優ちゃんの幸せそうに笑ってる顔が好きだからずっとそれを守りたい。
けど俺から出た言葉は気持ちと逆だった。
「別れよう優ちゃん」
優ちゃんを好きなのに優ちゃんに触れる事さえ今は出来ない。
彼奴が・・・・・・。
「そ・・・そっか、わかったよ心翔。友達は続けてくれたら嬉しいな。僕に何が起きても心は心翔だけだよ。ずっと好きだからね心翔。じゃあ、僕は帰るね。バイバイ心翔」
優ちゃん。
本当に別れるつもりなのか?
別れようと言ったのは俺だけど・・・。
言った事を後悔しても遅かった。
ベッドから起き上がると優ちゃんはそこに居なくてパイプ椅子にはお揃いで買ったイヤホンジャックが置かれていた。
震える手でそれをパイプ椅子から取るときつく握りしめた。
優ちゃん。
これで良かったのかよ。
くそっ、何やってんだ俺は・・・・・・・。
携帯を取り出してメールを送ろうとして指を止めた。
今、優ちゃんに会ってもきっと触れたりできない。
やっぱりこれで良かったんだ。
別れて良かったんだよと言い聞かせてベッドに潜り込んだ。
寝れなくて夜の薬に睡眠薬が出されていた。
それが効いてきたのか気づいたら俺は深い眠りについていた。
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