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第10話 僕は心配 Side心翔

またあの夢を見た。 優ちゃんが病室に来て俺が別れをつげた日の事を夢で何度も見る。 不眠症もましになりいきなり掴まれたりとかしない限りは人が触れても大丈夫までにはなった。 1週間の入院生活を終えて今日から学校に行く事にした。 「心翔、大丈夫か?人混みとか無理すんなよ」 「心輝、悪いな。大丈夫だから無理しないようにするよ」 心輝は心配をして登校は暫く一緒にすると言ってくれた。 竹田といつも一緒だったのに悪いと謝ると『心翔には借りがあるからな返すだけだ。』そういって笑った。 「あっ、心輝と久遠君。おはよう」 校門の前で竹田が俺たちに手を振るその横に優ちゃんがこっちを見て立っていた。 優ちゃんは竹田の肩を叩くとそのまま校舎に向かって歩いて行ってしまった。 「本当に別れたんだなお前達」 「ああ・・・」 優ちゃんの後ろ姿を見ながら胸が痛んだ。 友達としても無理かもしれない。 優ちゃんから話かけてもらわないと俺からは話しかけづらい。 優ちゃん。

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