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第13話 好きな人

「ここでは人目もあるかも知れません。家に来られませんか?」 心翔は正臣にされた事を思い出しているのか身体が少し震えていた。 「正臣、早く帰ろ?久遠くんとは話すこと無いだろ?」 「何を言ってるんですか?僕は心翔君に謝らなくてはなりません」 「でも、久遠君は正臣が怖いみたいだから話せないんじゃ無い?」 そう言うと心翔は下を向いてしまった。 「大丈夫だから、家に連れて行けよ」 怖いならこのまま帰ればいいのに何故無理をしてまで正臣の家に行こうとするんだろ? 「分かりました。それでは付いてきてください」 「正臣!」 「優月は黙っていて下さい」 「なんだよそれ!約束しただろ?」 心翔には、関わらないと約束したはずなのにどうしてだよ正臣。 「僕と優月の事を話さないと納得されないと思いますよ。だからここは人が通りますからお話しずらいです。優月との約束は必ず守ります」 「正臣、約束だからな!」 正臣は俺を見て笑った。 俺と正臣のやり取りを見て心翔はどう思ったかな? 心翔が心配で仕方が無い。 側に行って支えてそれから・・・・・抱きしめたい。 けど、心翔に拒絶された俺には夢みたいな話だよな。 ゆっくりと歩く俺と正臣の少し後ろを心翔が付いて歩いてくる。

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