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第15話 好きな人

「そうだよ。俺は、優ちゃんが心配だった。触れたり出来ない俺は優ちゃんを傷付けるのが怖くて別れようと言った事を何度も後悔した。俺からは優ちゃんに話しかけずらくて、でも最近優ちゃんの様子を竹田から聞いて・・・」 皆んな俺の心配してるのは分かってた。 けど・・・。 「俺は大丈夫だから心配いらない。それに、色んな男に抱かれてきたんだ。傷付くとかない」 「優月はどうして素直ではないのですか?」 ため息交じりで正臣が言った。 「俺は本当に・・・」 何故か胸が苦しくて言葉につまった。 「優月は、心翔君の事をとても好きなのに、どうして素直にならないのですか?心翔君も優月を手放したくないならハッキリと言った方がいいと思いますけど?違いますか?」 「正臣・・・・・」 心翔が俺から離れた時は凄く苦しくてでも心翔の代わりをするから別れて良かったんだと言い聞かせていた。 けど本当は別れたくなかったし心翔以外に触れられるのも嫌だった。 苦しくて辛くて俺は平気なんだと毎日呪文のように唱えていた。 我慢していた涙が目に溜まりだす。 「ヒクッ・・・」 「優ちゃん・・・。藤咲、優ちゃんを自由にしてくれ。俺への嫉妬なら優ちゃんは関係ない。だから、頼む」 「だ・・めだよ。代わりをしないと・・・・うっ・・・ヒクッ・・・・・・」 心翔は正臣に頭を下げた。 俺が自由になるなんて正臣との約束があるんだ。 代わりをしないと心翔に手を出すかもしれない。

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