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第18話 好きな人
「正臣、良かったね。本当に・・・」
「優月も心翔君が来てるのにまだ素直にならないのですか?」
約束は破棄された。
けれど・・・。
「藤咲会長。もしかして雑誌の久遠心翔君の彼女ってソイツですか?」
正臣を見上げながら言う。
俺にも見せなかった優しい顔で微笑んでいる正臣がいた。
「優ちゃん。もう一度やり直さないか?」
心翔は俺の腕を掴み優しい声でそう言った。
心翔の側にいていいの?
心翔は俺が居たら嫌な思いしないの?
「俺・・・。側に居たい。俺は心翔の側に居たいよ」
目から涙が溢れて頬を伝いポロポロと落ちていった。
頬に暖かい手が添えられてそのまま心翔の唇が俺の唇に重なった。
ずっと触れたくても触れれなかった愛しい人の温もりを感じる。
俺は心翔の手に自分の手を添えた。
嬉しくて涙が止まらなくい。
唇が離れると心翔は頬に伝う涙に優しくキスをしてくれた。
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