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第1話 好きな人 Side正臣

ある日の事だった。 僕の好きな人が雑誌を見てカッコイイと言ったのだ。 僕はずっと彼の側にいて誰かをカッコイイとか言っているのを初めて聞いた。 胸の中で何かがモヤモヤとしている。 「藤咲会長もそう思いませんか?」 僕は藤咲正臣。 この学校の生徒会長をしていて雑誌を見せて来ているのは副会長の鈴木久登。 僕と同じ2年生。 「没収した雑誌を見て何をしてるんですか?鈴木君は副会長ですよね?もっと自覚を持ちたまえ」 久登は慌てて雑誌を没収箱にしまった。 「すみません藤咲会長。以後気をつけます」 久登は僕の言う事は嫌な顔しないで聞いてくれていたが雑誌を没収箱にしまう時に泣きそうな顔をしていた。 そんなに雑誌に載っていた奴がカッコよかったのか? また胸のモヤモヤが大きくなり僕は取り返しのつかない事をしてしまった。 後悔してももう遅くて僕の過ちは消えはしない。 僕を許す必要はない。 僕を憎んでいてくれ。

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