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第8話 好きな人 Side正臣
優月は僕と久登の事を喜んでくれているが表情は少しだけ暗く思えた。
まだ素直に心翔君を好きだと言えないのか?
僕と優月の会話で久登が雑誌に載っていた心翔君の彼女が優月だと分かったらしく僕に聞いてくる。
後で説明しようと思っていたが僕は久登に微笑んで頷いた。
心翔君から優月にやり直さないかと言い出した。
優月の性格が分かっているから心翔君から言ったんだろう。
優月もやっと素直に側にいたいと言って仲直りをしてくれたはいいがこれはまた久登には目の毒のような気がする。
「ゴホンッ。2人共すまないが僕達が目の前にいる事を忘れないで欲しい」
心翔君が止まらなくなっているんだろう。
「仕方ありません。久登、部屋を移りますよ」
「へっ・・・あっ・・・はい。藤咲会長」
僕は久登の手を掴みソファから立たせるとドアに向かって歩き出した。
そうだ久登に藤咲会長と呼ぶのを止めさせないとダメだ。
「いい加減に正臣と呼んではくれないか?久登」
「えっ?」
「まぁ、この後呼ばせますからこちらに来てください」
直ぐには無理だろうから今晩じっくりと正臣と呼ぶまで可愛がる事に決めた。
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