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第9話 好きな人 Side正臣
先に久登を部屋の中へ入れて僕は後から入ると強く後ろから抱きしめ久登の肩に額を押し当てた。
「藤咲会長?」
また・・・・・藤咲会長って・・・・・・。
せっかく気持ちが通じ合ったのに久登はまだ僕を藤咲会長と呼んでいる。
「久登・・・頼むから正臣と呼んでくれないか?」
「あっ・・・・・・すみません。正臣」
「それと、2人の時は普通に友達と話してる言葉遣いにしてくれるか?俺もそうする」
「へっ?あっ・・・はい。正臣」
2人の時は演じている藤咲正臣から解放されたい。
久登は抱きしめている腕に手を添えてゆっくりとその腕を撫でている。
そんな可愛い事をされたら我慢が出来なくなる。
「久登、好きだ」
「正臣、僕も好きです」
俺が久登をきつく抱きしめると久登も俺の腕を握りしめた。
「あの・・・えっと、久遠君達が前みたいに幸せになったらいいですね」
「ああ・・・そう願いたい」
「僕が正臣にちゃんと気持ちを伝えていたら・・・・・・正臣も久遠君達もくるしまずにすんだ・・・・・ごめんなさい」
何故、久登が謝るんだ。
「久登は悪くない。だから謝るな」
「でも・・・・・ふうっ・・・・・はぁっ・・・・・ま・・・さ・・・ううっ!」
久登の頭を掴むと言葉を遮り舌を絡め噛み付くようなキスをした。
久登の身体の力が抜けて行き足から崩れ落ちそうな状態の久登の唇から離れることが出来ず。
俺はただ求めるままに久登の唇に貪りついた。
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