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第18話 好きな人 Side正臣
朝、目が覚めると俺の腕の中で久登がグッスリと眠っていた。
壁にかかる時計を見ると11時を少し過ぎていた。
俺が呼ばない限り使用人は俺を起こしに来ない。
朝食は多分人数分用意されているだろう。
外の監視カメラとかで確認しているはずだし人の出入りは僕の知人でも報告を怠れば両親や兄から嫌味を言われる。
「うう・・・ん」
無意識に俺が久登の頭を撫でていたからどうやら起こしてしまったみたいだ。
「悪い。起こしてしまったか?」
「あっ・・・僕・・・あのまま寝ちゃった。家に連絡・・・・・ツゥ・・・・・」
急に起き上がろうとしたが久登は腰を押さえてまたベッドへと倒れこんだ。
「すまない。初めてなのに無理をさせた久登。家にはこちらから連絡を入れているから安心しろ」
「あっ、すみません。藤咲会長」
藤咲会長?
まさか一晩寝たら正臣と呼べなくなっているとはあんなに可愛がったのに少しだけ寂しさが込み上げてきた。
久登の額にキスをして優しく抱きしめる。
「藤咲会長?」
「どうして藤咲会長に戻っている?」
「えっと・・・・・まさ・・・正臣君」
「正臣君?」
「あっ・・・正臣」
俺は久登をギュッと抱きしめると久登も抱きしめ返してきた。
正臣と呼ぶのに時間がいるかもしれないな。
この先ずっと側にいるならいつか自然に呼んでくれるよな久登。
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