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第5話 忘れてた誕生日

聞いて良いのか分からなくて不安は募るばかりでどうしたらいいの? 心翔の前では笑っていようと決めて1人になりベッドに潜り込むと不安で胸が押し潰されそうになる。 心翔、やっぱり僕が許せない? そう聞ければいいのに勇気が出ない。 「優ちゃん、何か悩みあるのか?」 心翔は僕の腕をギュッと握りしめる。 「えっ?悩みなんて・・・無いよ」 「本当に?」 「うん」 心翔に笑ってそう言う。 けれど苦しくて上手く笑えてるだろうか? 「なら、どうしていつも作り笑いしてるの?あの日以来ずっとそうだ」 「心翔・・・作り笑なんてしてないよ」 「俺が分からないと思ってるのか?」 掴まれた腕を引き心翔が僕を抱きしめた。 心翔は気付いていたんだ。 僕がずっと無理して笑っていた事。 正臣に抱かれた後ろめたさから上手く笑えていなかった。 心翔の変わりに抱かれていたのだがそれでも本気で嫌じゃ無い自分が居た。 心翔に悪いと思いながら抱かれていたんだ。 避けていたのは心翔じゃなくて僕が無意識に触らせないようにしていた。

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