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第13話 忘れてた誕生日

なんだかフワフワしていて暖かい物に包み込まれてるみたいで気持ちがいい。 なんだろこれ? 僕は何かわからないものを手でペタペタと触っていた。 「くすぐったいんだけど優ちゃん」 頭の上から声が聞こえる。 ゆっくりと目を開けると目の前には心翔の顔があった。 「心翔?」 「誰に見える?」 「あっ、僕・・・寝ぼけて触ってた。ごめん」 恥ずかしすぎる。 寝ぼけてペタペタと心翔の身体を触るなんて何をやってるんだろ僕。 「くすぐったかったけど気にしなくて良いよ優ちゃん」 心翔は優しく笑いかけて唇にキスをしてくれた。 昼間は良かったけど夜寝る時にやっぱり避けられてるのかなとか不安になったから今のキスは凄く嬉しい。 「ごめんな夜。ちょっと考え事してたんだ」 「うん。何か心配事があるの?」 「心配というか・・・今日の夜話すよ。一応決心ついたからさ」 「うん」 悪い話では無さそうだった。 心翔はなんか照れて笑っている様に見えたから僕が不安になる様な事じゃないと思えた。 話ってなんだろう? 僕が考えていると心翔は僕をきつく抱きしめてくれた。 「悪い話じゃないから優ちゃん。不安にならないで欲しい」 「ごめんね心翔。分かった。今日はクリスマスパーティだからね。考えない様にするよ」 そう言うと心翔は笑って僕の頬にキスをしてくれた。 なんだか胸がくすぐったい感じになる。 不安にならないでいいんだよね。 心翔。

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