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第6話 忘れてた誕生日 Side直

こんなに心輝の腕の中が暖かくて落ち着くなんて今頃になって気付くなんて僕は馬鹿なのかな? 心輝はいつもこの温もりを僕にくれていたじゃないか・・・。 なのに僕は、1人で不安になって心輝の何を今迄見てきたんだよ。 「直、何かあったか?」 心配そうな心輝の声が頭の上から聞こえてくる。 僕は心輝の服をギュッと握りしめた。 「僕は・・・不安だったの・・・・・」 「不安?」 「心輝は抱きしめる時に背中の傷の場所を優しく撫でてくれる。もしかしたら背中の傷が心輝を縛り付けてるんじゃないかって責任を感じて僕のそばにいるんじゃないのかなとか・・・・それに綺麗な女の子や可愛い女の子が心輝の周りにいて・・・・・背中の傷の責任で僕から離れられないんじゃないかって1人で考えてた」 ちゃんと言えたかな? 心輝は怒ったりしないかな? 顔を上げて心輝を見るのが怖かったから胸に顔を埋めた。 「直、ごめんな。不安にさせるつもりは無かったんだ。直の傷に触れるのは、あの時の事が蘇ってくるからなんだ。直が俺の前から居なくなるんじゃないかって恐怖に襲われる。直の傷に触れて温もりを感じて俺の側にいると確認していたんだ」 僕は1度死にかけた。 死んだら2度と会えないという恐怖を心輝はあじわったんだ。 「心輝・・・・・。僕は心輝の側から離れないよ」 「それは俺もだからな直。俺、両親に直の事を話したんだ。兄貴の事があったからあまり驚きはしなかったけど1度会いたいと言われた。両親に会ってくれるか?」 心輝のご両親に会う。 僕はビックリして胸に埋めていた顔を急に上げたから唇が触れそうなくらい心輝の顔が近くにあった。 どうしよう、心輝の顔が近いしご両親の話とか頭の中がグルグルしてる。 何か言わなきゃだけどあまりにもビックリし過ぎて喉がカラカラで上手く声が出ないよ。

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