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第7話 忘れてた誕生日 Side直

声が出ないから首を縦に振りたいけど顔が近くにあるから心輝にあたってしまう。 思わず心輝にキスをしてしまった。 僕はなんて事をしちゃったんだろう。 慌てて心輝の唇から離れようとしたけれど頭を掴まれて逃げる事が出来なくなってしまった。 本当に恥ずかし過ぎるよ。 心輝の舌が唇を割って入って来ると僕の舌に絡みついてくる。 僕は絡みついてくる舌から逃げる事も出来ずにただ心輝に一生懸命に応えていた。 心輝とのキスは蕩けてしまう。 本当に何も考えれなくなるんだ。 「な・・・直。大丈夫か?」 「へっ?あっ・・・・・う・・・うん」 気がつくと僕の唇から心輝の唇は離れていて心配そうにしている心輝の姿がそこにあった。 「大胆だな直からキスしてくるなんてどうしたんだ?」 「あの・・・返事したくてけど上手く声が出せなくて首を縦に振りたくても心輝に当たるから・・・それで・・・僕・・・・・僕・・・・・・」 なんだか目に涙が溜まりだしてまた話せなくなってしまっていた。 「泣かせるつもりはなかった。ごめんな直。ビックリしたんだよな?会ってくれるで答えは良いのかな?」 心輝は優しく頭を撫でてくれて頬に伝う涙に唇を当てた。 「僕・・・僕が会っていいの?」 「両親が直に会いたがってる」 「うん。僕も会いたい」 心輝は僕に微笑むとギュッと抱きしめてくれた。 心輝に出逢えて僕の周りは明るくなったんだよ。 ずっと暗闇にいて本当に1人で寂しくて僕は消えてしまいたいとまで思っていたんだ。 心輝は僕の大切な人。 だから心輝もずっと笑っていて欲しいんだ。 2人で笑って過ごしていけたら良いなって思うんだよ。 僕の小さな願い。

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