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第1話 忘れてた誕生日 Side冬空
色んな事があり過ぎてゆづ君の誕生日をすっかりと忘れていた俺達は夏に行った心翔の別荘でクリスマスとゆづ君の誕生日パーティーをする事にした。
だが俺が気になっているのは龍の事だった。
「龍さ、俺達と遊んでて良いの?進路とか決めてないんじゃ無いのか?」
「お前には関係無いだろ。俺、もう帰るわ。また明日な冬空」
「いつも進路の話になると帰るよな龍」
龍は無言で見ていた雑誌を乱暴に床に置くと俺の部屋から出て行ってしまった。
なんだよ。
受験するとか知りたいだけなのに俺には進路の話は一切してくれない。
進路とか俺には関係無いとか言うけど俺は龍が大学に進むなら同じ大学とかに行きたいと思っていた。
「なんだよ。龍の馬鹿」
俺は床に乱暴に置かれた雑誌を拾うとテーブルの上に置き直した。
龍は喧嘩も強くて頭もかなり良い。
たまにテスト勉強も見てもらっていた。
それが2学期に入る頃あたりから勉強も見てくれなくなり俺を避けているんじゃ無いのかと思う位に帰りは別々の日が多くなった。
ゆづ君達と居る時は、いつもと変わらない龍だけど・・・。
2人になると黙り込んだり俺が触れようとすると帰ったりしてしまう。
もしかして・・・・・男の俺より女の子とかのが良くなったのかな?
ゆづ君や竹田みたいに俺は可愛く無い。
それに龍は無理して俺のを受け入れてくれた。
やっぱり男としては受け入れるのは無理があったのかな?
初めての時凄く怖がってたからな・・・・・・。
それでも受け入れてくれたのが嬉しかった。
今もその時の気持ちは忘れていないし龍を大切にしたいと言う気持ちがより強くなっている。
龍は違うのか?
俺の事はどうでも良いのかよ龍。
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