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第4話 忘れてた誕生日 Side冬空
あの日から俺も龍に会いに行ったりしなくなってゆづ君達が居る前では普通にしていた。
普通にしていたつもりだったけれど譲には気付かれていた。
1人で帰ったりしていたら変に思われても仕方ない。
放課後、茜ちゃんが委員会が終わるまで譲が少し話したいと言ってきた。
そして、俺達は学校の屋上に来ている。
「冬空、最近宇佐先輩と帰ってないだろ?」
「なんか龍、忙しいみたいだから・・・・・・・」
俺は譲から視線を逸らしてしまった。
「クソッ、俺は言うつもりなかったけどお前がそんな辛い顔してんなら言うわ。宇佐先輩と別れろよ」
「はっ?何言ってんだよ」
「いきなり言われたら怒るよな・・・ごめん。けどさ宇佐先輩の事で冬空が苦しんでるなら・・・・・何かあったら話は聞くからちゃんと話せよ。後、今の宇佐先輩となら別れろって言ったの本心だから冬空」
譲は肩を叩くと屋上から出て行った。
譲があんな事を言うなんてどうしたんだ。
いつもは周りに気を使って人を笑わせたりするのが好きな譲が俺に龍と別れろって言うとはおもわなかった。
それだけ俺は酷い顔をしているんだろうか?
言われた時は頭に来たけどそれは俺が考えていた言葉を譲に言われたからだった。
譲・・・俺決心ついたかもしれない。
別荘の最後の夜に龍にちゃんと話をするよ。
龍と話した後に俺がダメになりそうになったら譲は話を聞いてくれるだろうか?
譲だから話は聞いてくれるんだろう?
ありがとうな譲。
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