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第7話 忘れてた誕生日 Side冬空

久しぶりに入る帝さんの部屋。 昔は水色と白で家具が統一されていて、オモチャとかゲーム機とかその辺に転がっていたけど今は綺麗されていて家具は白と黒で統一されていた。 「適当に座ってろよ。何か飲むだろ?何が良い冬空」 「帝さんと同じで良い」 「なら、コーヒーだけど砂糖とミルクはいるか?」 「うん」 「少し待ってろよ」 帝さんはコートをクローゼットの中にしまうと部屋を出て行った。 龍の部屋とは違うよな・・・。 大人の落ち着いた男って感じがする。 帝さんと遊ばなくなったのっていつからだろうか? 帝さんが中学生になる頃には俺は龍としか遊ばなくなっていたかもしれない。 小学生と中学生じゃあ、話の内容も違うから自然と遊ばなくなったと言った方が良いかもしれない。 「お待たせ冬空。このパン片付けるの手伝ってくんないか?」 「そんなたくさんのパンどうしたの?」 「母さんがパン作りにハマってさ、良かったら持って帰ってくれてと嬉しいんだけど冬空」 苦笑いをしながらバスケットから溢れそうなくらいのパンを指差した。 「叔母さん昔からだよな、ハマると同じのをずっと作るの飽きるまで食べさせられるって龍がよく言ってた」 龍・・・。 思わず下を向いてしまった。 「冬空?やっぱり龍と何かあったか?」 「何もないよ。龍と明日から俺の親友の別荘に皆んなで泊まりに行く事になってる。仲良くしてるよ」 「仲良くしてるなら良い。龍は弱いとこあるから冬空が側にいてくれて兄貴としては安心だ」 俺は帝さんが思ってる程、強くないよ。 今にも泣きそうな気持ちを抑えるのに必死なんだ。 けど帝さんに心配はさせれないから無理に笑っている。 帝さん、俺は上手く笑えてますか? ちゃんと気持ちを隠せていますか?

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