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第10話 忘れてた誕生日 Side冬空

目の前で龍と帝さんが言い合いをしている。 仲の良い兄弟だった。 だけどお互いに感情を剥き出しにして今にも殴り合いになりそうなくらいの剣幕だった。 「やめ・・・・やめろよ!!!!!もう・・・・・」 俺は2人の間に割って入って殴り合いになるのを止めた。 「冬空・・・すまない」 「帝さんが俺を好きだったなんて気づかなくて・・・・・・・けど俺は、応えれません。すみません」 どんなに傷付いても別れを告げられたとしても俺は・・・・・龍じゃないとダメなんだ。 「俺は帰ります」 龍は何も言わないまま俺が部屋から出ようとしても俺を見ようともしなかった。 龍は俺なんか見てないんだ・・・・・・けれど俺は龍しか見えない。 馬鹿だよな・・・・・。 帝さんなら大人で優しくて昔から俺を大切にしてくれていたのにそれでもぶっきら棒な龍を好きなんだ。 ずっと小さい時から龍が好きで龍しか見ていなかった。 龍が誰かを好きでも俺は平気だ。 少しの間でも恋人として側に居れたそれだけで幸せだ。

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