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第13話 忘れてた誕生日 Side冬空
龍にはちゃんと気持ちを話しておこう。
こんなに泣きじゃくる龍だから俺は信じる事にするよ。
「俺は、龍が好きだ。さっき帝さんにキスされて胸を触られた時に吐き気がする程だった。俺が触れられたいのは龍だけなんだと思ったんだ。龍以外この先考えれない。だから龍が俺ら離れようとも俺はいつまでも龍を思い続ける事にした」
俺はもう迷わない。
俺は龍の幸せだけを考える。
俺以外とこの先過ごす事になっても龍が幸せなら近くから見守る事にする。
ただの幼馴染として見守り続けるよ龍。
「冬空・・・俺ももう迷わ無い。迷ったから兄貴につけ込まれたんだ。俺さ調理の専門学校に行く事にしたんだ。2年だ。冬空が卒業して大学に進学するなら・・・・・俺も一緒の大学を目指したい」
「龍は料理の道に進むのか?」
「料理の道に進むけど最終的に冬空と小さなペンションを経営したい。ずっと一緒に居たいんだよ冬空。けれどこれは俺の勝手な思いだ。冬空に拒まれたらと思ったら話せなくなった」
龍はそう言って俺の腕を強く握った。
握りしめられた腕が痛いと言うより胸が熱くなった。
龍はそんな先まで俺の事を考えていてくれたんだ。
「なら、俺は経営に関する事を学べる方に進学しなきゃだな龍。俺も調理師免許とか取得したんだがな?ダメか龍?」
「冬空・・・・・いいのか?」
龍は胸に埋めていた顔を上げて涙を溜めた目で俺を見てくる。
「俺は言わなかったか?ずっと離れ無いよ。側に居るから龍」
「あっ・・・・・・うん」
顔を真っ赤にする龍が愛おしく思えた。
本当に不器用で言葉が足り無いんだよ。
俺は龍を引っ張り上げると唇に優しくキスをした。
何度も何度も繰り返し角度を変えて龍を求める様に口づけを交わした。
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