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第20話 忘れてた誕生日 Side冬空
「謝らないで龍。俺こそ女の子が良くて離れていったんだと勝手に思い込んでたんだ。ごめん」
「これからもよろしくな冬空」
「うん。よろしく龍」
お互いの胸元でクロスペンダントがカチリとぶつかる。
龍から俺を抱き寄せてギュッと力の限り抱き締めてくれた。
「龍・・・・・」
「たまには、俺が冬空を抱き締めてもいいだろ?」
「そうだな。啼かせるのは俺だけどな龍」
お互いに、フッと笑って軽く唇を重ねた。
これから、俺の両親にも話さないといけない。
龍はもうだいぶん前から両親にも話して説得して帝さんにも背中を押してもらっていた。
なのにグズグズしているから帝さんがキレらしい。
あの日の出来事も帝さんの演技だったと龍から聞かされた。
凄くリアルだったんだけど俺凄く怖かったし帝さんに会ったらちゃんと話をしないとな。
帝さんありがとう。
きっと帝さんが龍にキレてなかったら俺から旅行前に龍の事を考えて別れを告げていたかもしれない。
帝さんには頭が上がらなくなった。
それに帝さんに彼女が居たなんて知らなかったけど俺とキスをして大丈夫だったのか?
龍に聞いたら多分大丈夫なはずと言っていたがそれも含めて帝さんに旅行から帰ったらお土産持って謝りに行こう。
龍も一緒に謝ると言っていた。
龍、これからは2人で何をするにも話し合っていこうな。
たまには喧嘩もするかもしれないがそれでも龍を嫌いにはならない。
龍好きだ。
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