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第3話 初詣

僕は肩に置かれている腕を退けて冬斗兄さんの方に身体を向けた。 「どうしたんだ?優月」 「あのね。冬斗兄さんに話しておきたい事があるんだ」 冬斗兄さんに心翔の事を話したらどんな反応するんだろう? 僕と心翔の事を受け入れてもらいたい。 「なんだ?」 「僕、今好きな人がいてお付き合いしてるんだ。八坂家の人も相手の家族にも付き合ってると話したけど冬斗兄さんには話してなかった。ごめんなさい」 冬斗兄さんが少しビックリした顔をしている。 「可愛い子か?1度会わせてくれよ」 「えっと・・・可愛いと言うよりカッコイイくて綺麗な感じだよ」 心翔、カッコイイ。 顔立ちは可愛い感じではなく綺麗なんだよ。 「歳上か?」 「同じクラス。凄く人気がある」 「優月、やるじゃないか!画像とか写真ないのか?」 あるけどまだ冬斗兄さんには肝心な話をしていない。 いきなり画像を見せても良いのだろか? やっぱりちゃんと同性と付き合ってると言うべきなんだろうか? 「優月君。大丈夫だよ。僕のお兄さんだって理解してくれたんだ」 僕が戸惑っているのを直が気づいたのか勇気づけてくれた。 「ありがとう直」 「うん。頑張って優月君」 僕と直の会話に冬斗兄さんは不思議そうな顔をしていた。 僕は深呼吸をしてから話す決意をした。

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