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第4話 初詣
「僕の付き合ってる人は前の家に住んでいた時に仲良くしていて高校で再会したんだ。とても大切な人。久遠心翔って言うんだ。旧姓は佐伯。佐伯心翔だよ」
「佐伯・・・心翔って、優月がずっと仲良くしていた。あの心翔君。何も言わずに優月の前から居なくなったんだよな?」
冬斗兄さんは心翔の事を覚えていた。
「うん。心翔だよ」
「男だろ?本当に付き合ってるのか?」
「うん」
冬斗兄さんは凄い顔をして僕を見てくる。
そうだよな・・・・・男と付き合ってると言えば冬斗兄さんみたいな反応するよ。
直も心配そうに僕を見ている。
直のお兄さんだって初めは同じ反応をしたのかも知れない。
けど心輝の人柄を見て直との付き合いを認めてくれたんだ。
直が命をかけて心輝を守ったんだから直のお兄さんだって本気だと思ってれたに違いない。
僕と心翔がどんなに思い合っているかとか冬斗兄さんには分からない。
すぐには認めて貰えないと思うけど冬斗兄さんにも僕達の事を認めて欲しい。
「両家の家族は俺以外知ってたんだよな?」
「うん。ごめんなさい冬斗兄さん」
「優月、ごめん。僕は部屋に戻る。夕食が出来たら母さんに呼びに来てって言っておいてくれるか?」
そう言って立ち上がるとリビングから冬斗兄さんは出て行ってしまった。
どうしよう。
冬斗兄さん、僕と目も合わせてくれなかった。
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