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第6話 初詣
僕が泣き止むまで心翔は通話のままで待っていてくれた。
「ありがとう心翔」
「うん。また何かあったら電話しろよ優ちゃん」
「うん。もう切るね。大好き心翔」
「俺も好きだよ。優ちゃん」
僕は心翔が通話を切るのを確認して携帯をテーブルに置いた。
シャラリと腕につけてもらったブレスレットが手首で光る。
今は側に心翔は居ないけどこのブレスレットがあるから心翔を側に感じる事ができる。
僕は唇でそっとブレスレットに触れた。
心翔・・・。
「優月君、入ってもいい?」
不意にドアの外から直が声を掛けてきた。
「あっ、うん。どうぞ」
「電話終わったの?優月君、目が赤いよ。大丈夫?」
僕の隣に腰を下ろしてペタリと座り込んだ直が僕の顔を覗き込みながら言ってきた。
やっぱり、泣いたから赤くなってるよね。
「平気、心翔と話したら落ち着いたからありがとう直」
「良かった。優月君が泣きそうな顔して部屋に戻ったから心配だったんだ。僕だけだとあまり力にならないよね」
直は伏し目がちにそう言った。
「そんな事無いよ。直にも勇気貰ったんだよ。だから冬斗兄さんに心翔のことを話せたんじゃ無いかだろ?」
「そうだけど・・・・・。早く理解してもらえるといいね」
「そうだね。今度は心翔が一緒に話してくれるって言ってくれたんだ」
心翔と会ってくれるかわからないけど冬斗兄さんに僕達の事を理解して貰うには僕1人じゃダメなんだ。
心翔と2人で一緒に冬斗兄さんと話をしないとダメだ。
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