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第8話 初詣
「お待たせ心翔」
僕は桃お姉様に勝利しました。
いつも良い様に言いくるめられて女の子の姿になっていましたが僕は今日ハッキリと断れました。
僕は断れたんだけどね。
「直?」
「心輝・・・・苦しい」
直が桃お姉様に捕まりました。
厳密には桃お姉様と春子お母さんに捕まったと言ってもいいです。
あと1時間で新しくなる年の前に女の子の姿にさせられて新年から女の子の姿なんて僕には耐えれ無い。
それに着物を着付けされている様子を隣で見ていたが拷問としか思えなかった。
女の子はこんな大変な思いをして着物を着ているのかと思うと尊敬してしまいます。
「心翔君も優月の晴れ着姿を見たかったわよね?」
「優ちゃんは今も可愛いからそのままでいいです」
桃お姉様が心翔に詰め寄り言ったけど顔色1つ変えずに心翔は否定してくれた。
心翔はずっとどんな僕でも良いと言ってくれてるんだからね。
「僕は絶対に着ません」
「分かったわよ。2人して後悔し無いことね」
「桃さん。捨て台詞ですか?」
「貴方達2人本当に可愛く無いわ」
「優ちゃんは可愛いですよ」
心翔は僕の肩を抱き自分の方へグッと引き寄せた時に冬斗兄さんがリビングへ入って来た。
「冬斗、どうしたの?」
桃お姉様が何故か動揺している。
春子お母さんはお節料理を途中止めして直の着付けを手伝っていたから今はキッチンにいていない。
勝治叔父さんも急患で病院に行ってしまった。
頼れるのは桃お姉様だけなんだけどなんだか今日は頼りなく見えてくる。
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