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第10話 初詣
心翔と冬斗兄さん以外の周りは2人に何が起きているのかと思いながら見守っていた。
2人で楽しそうに話しているのは久しぶりだから?
「冬斗さん、俺は真剣ですよ。ずっと優ちゃんと生きていくって決めたんです。優ちゃんと俺の事を理解して欲しいとは今は言えません。けど時間が掛かっても冬斗さんに認めてもらいたいです」
笑って話していた心翔と冬斗兄さんが真剣な表情を見せた。
冬斗兄さんの表情はまた冷たい感じに戻ってしまう。
やっぱり僕達を認めてもらうのは時間が掛かるよね。
「心翔君、周りの人達に知られても優月を守れるのか?ずっと優月と一緒にいれるのか?」
冬斗兄さんの表情は険しいが口調は穏やかに思えた。
「俺は何度も優ちゃんを傷つけてきました。けれどそれでも俺には優ちゃんしか居ません。傷付けないとか約束は今の俺には出来ませんが必ず守れる男になります」
心翔の真っ直ぐで真剣な眼差しは僕に向けられながら言われた。
その言葉が嬉しくて僕は泣きそうになった。
「僕も心翔だけだよ。周りに何を言われても側に心翔が居れば僕は強くなれる」
強くなれるんだ。
心翔が側にいてくれれば僕は大丈夫だよ。
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