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第19話 初詣
「あっ、ありがとうございます」
「良かったな彼女」
パンダを受け取るとおじさんは次のお客さんの相手をし出した。
「可愛いな」
「うん。パンダ可愛いね。ありがとう心翔」
心翔は僕の頭を撫でてクスリと笑う。
あれ?
僕は変な事を言っちゃったのかな?
「可愛いなって思ったのはパンダ抱きかかえている優ちゃんの事だよ」
「へっ?僕が可愛い?」
「うん。可愛い。顔が赤くなって照れてる所が可愛い」
顔が赤くなってるのはパンダを抱えていて恥ずかしいから顔が赤くなってるんだよ。
それと心翔に触れられたらドキドキしちゃうんだもん。
「うわぁ〜。僕達が綿あめ買いに行ってる間に何をしてたんですか?」
綿あめが食べたいと直が言ったから心輝と2人で綿あめを買いに行っていた。
「えへへっ、心翔が当てたんだ」
「なんだろ?嬉しそうに話すゆづ君が可愛く見えるんだけど大丈夫か?また男達がゆづ君を見てるけど心翔」
「大丈夫だよ。俺と居れば平気だ」
また?
さっきも見られてたのは知ってるよ。
「心輝まで可愛いとか言わないでよ」
頬を膨らますと心翔がプニプニと指で頬をついてくる。
「膨れても可愛いな優ちゃん」
「もうっ、知らないんだかね」
僕は顔が隠れるくらいパンダを持ち上げプイッと横を向いた。
横を向くとこっちを見ていたある男の人と目が合った。
目が合った瞬間に身体が強張った。
あの男の人・・・・・・。
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