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第22話 初詣

僕は心翔の方を見るとやっぱり顔つきが怖かった。 「藤咲なんだよ?用がないなら俺達帰りたいんだけど?」 心翔は冷たい口調で正臣に言い放った。 直も心輝を止めようと腕を掴んで何か2人で話している。 さっきのあの男は? 見かけた場所を確認するとその場所から消えていた。 姿が見え無いから僕は少しだけ安心をしている。 きっと正臣とか来て周りに人がたくさん居たから諦めたんだと思っていた。 「君達に新年の挨拶するのはダメかな?去年は悪い事をしたと思ってるんだ。何か僕にできる事があったら言って欲しい」 「分かった。今は俺達は家に帰りたいから何かあるなら連絡するよ。それでいいだろ藤咲」 「そうだな、俺達もこれから参拝に行きたいんで良い年を心翔君と優月君」 そう言って鈴木君の手を引きながら正臣は人混みの中に消えていった。 「心輝も直も一緒に帰ろう?さっきの男はいなくなったよ」 僕がさっきの男がいた場所を指差すと皆んなが同じ方に視線を向けて安心した顔になった。 「帰ろう。今日は2人とも俺達の家に来い」 心翔が僕の手をギュッと握りしめて正臣に見せた時よりも怖い顔をしている。 冬斗兄さんが帰って来てるから家に帰りたいけど心翔に言ったら却下されて強引に心翔の家に連れて行かれそうな気がする。 僕は素直に心翔の言う事を聞く事にした。

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